京都は、平安遷都以来1200年を越える歴史をもち、文化芸術の上でも豊かな伝統を培ってきました。絵画においても例外ではなく、長い間、京都がその中心拠点としての役割を果たしました。そして、江戸末期には円山・四条派が京都の絵画を代表するものとなって、画壇に大きな影響を与えました。さらに明治維新以後は、円山・四条派の写生の伝統を基盤としながら日本画の革新がすすめられ、数々の名画が生み出されてきたのです。
足立美術館は、横山大観をはじめとする東京画壇の作品コレクションが充実する一方で、京都画壇の作品についても数多く収蔵しています。本展では竹内栖鳳のほか、上村松園、橋本関雪、土田麦僊、村上華岳、榊原紫峰らによる京都日本画の名作を展示いたします。なお、当館が新たに収蔵した竹内栖鳳の「雨霽」をこの機会に初公開いたします。この作品は、ある資産家が長らく秘蔵していた六曲一双の屏風で、これまで一般の目にまったく触れたことのない、いわば幻の大作とされるものです。この機会をお見逃しのないよう、ぜひご覧ください。