土偶は縄文時代草創期から数千年にわたって作られ続けた、粘土を素材にした“ひとがた”です。福島県では縄文時代早期から作られ始めます。ほとんどの土偶にはおっぱいがあり、ふくらんだお腹が表現されています。妊娠した女性を表現しているのです。生命を宿す土偶-そこには縄文人の祈りの姿と、数千年変わらぬ人間の根源的願いが、時を超えて見えてきます。
この展示では、福島県内から出土した縄文時代の土偶を一堂に展示します。
2009年に大英博物館で開催された「The Power of DOGU」に出品された福島市上岡遺跡のうずくまる土偶、郡山市荒小路遺跡のハート形土偶、三島町小和瀬遺跡の結髪土偶(レプリカ)などが勢ぞろいします。また県内から出土し、現在は東北大学文学研究科考古学研究室が所蔵する土偶も里帰りします。
なお、この展示は、まほろん(福島県文化財センター白河館)で開催した企画展「里帰り展 ふくしまの土偶」の移動開催ですが、まほろんに展示された東京大学総合学術博物館所蔵資料は県立博物館の展示資料には含まれません。