「原村の縄文は阿久から始まった」――およそ一万年にわたって戦のない豊かな時を刻んだ縄文時代。この世界史的にも貴重な時空を生きたわたしたちの祖先は、素敵なアーティスト集団でもありました。 八ヶ岳山麓を空から眺めると、そこにはおびただしい数の縄文遺跡が点在し、山麓をベルトのように取り巻いています。この「縄文ベルト地帯」は、一時は縄文銀座のような賑わいをみせました。その中心地であった阿久遺跡をはじめ、これまでご紹介する機会の少なかった原村の貴重な遺跡出土品が、今、八ヶ岳美術館の中で新しい呼吸を始めます。特徴ある土器の一つひとつに、縄文の人々が込めた祈りと造形の美が感じられることでしょう。新しい発見と感動うずまく、ひと味違った美術館の土器展を、どうぞお楽しみください。