印刷技術が発展し、浮世絵版画が終焉を迎える頃、木版画再興を企図した2つの潮流が興ります。「創作版画」は自画・自刻・自摺という作画姿勢を重視し、「新版画」は伝統的な版元・絵師・彫師・摺師の協業を保ちつつ新たな木版画を目指しました。「新版画」を提唱した版元・渡邊庄三郎(1885~1962)のもとで、旅先の風景をスケッチした川瀬巴水(1883~1957)や静岡出身の伊藤孝之(1894~1982)、土屋光逸(1870~1949)らが、風景を題材に色鮮やかな多色摺木版画を制作しました。これら新版画の色と技を、当館所蔵の歌川広重の風景版画とともにお楽しみください。
なお本展は、静岡市美術館開館記念展〈Ⅲ〉「棟方志功 祈りと旅」展応援企画です。静岡市美術館、静岡市東海道広重美術館の両館で、近代木版画の精華をご覧ください。
[前期]平成23年2月1日(火)~3月6日(日)
[後期]平成23年3月8日(火)~4月3日(日)