奈良県には、奈良時代以前に建立された建造物が全国で唯一残っていることはよく知られています。平城京では仏教文化が花開き、数多くの寺院が建立され、壮大で華麗な堂塔伽羅が造営されました。
創建当時の建造物や伽羅の姿は、奈良県文化財保存事務所がおこなっている現存する建造物の保存修理にともなう調査研究や、建造物の地下そして寺院跡などの発掘調査によって明らかになってきました。
本展覧会では、平城京の大寺院を中心におもに考古学の視点から奈良時代の仏教建築の世界を紹介します。さらに出土遺物や伝世資料などから、建造物の建立と荘厳、伽羅の造営に携わった奈良時代のさまざまな「匠たち」の姿に迫ります。