本展はイタリアを代表する美術館のひとつであるナポリ・カポディモンテ美術館の名品によって、ルネサンスからバロックまでのイタリア美術を概観します。
展示される作品は主に、ファルネーゼ家が蒐集したルネサンスおよびバロック美術の作品と、ブルボン家が蒐集したナポリ・バロック美術の作品です。パルミジャニーノ《貴婦人の肖像(アンテア)》、ティツィアーノ《マグダラのマリア》、グイド・レーニ《アタランテとヒッポメネス》、ジェンティレスキ《ユディトとホロフェルネス》といった至極の名品を含む80点をお楽しみいただけます。
ルネサンスからバロックまでのイタリアを代表する貴族のひとつであるファルネーゼ家は、過去の美術作品を蒐集すると同時に、同時代の芸術家にも積極的に作品を注文し、この時代の美術の牽引役を果たしました。相続によってファルネーゼ家の膨大な財産を受け継いだブルボン家は、自らが統治したナポリの美術を蒐集しました。つまり本展は、芸術の庇護者であった大貴族がどのような鑑識眼で美術品を蒐集し、そして宮殿に飾ったのか、あるいはイタリアの大美術館がどのようにして出来上がったのかということも垣間見ることができる構成となっています。