絵画の中には、豊かな物語の世界が広がっています。
神話、歴史、文学など広く知られた「物語」はもちろんのこと、個人の身の回りの出来事や、頭で思い描いた空想世界の断片に至るまで、絵画は様々な「物語」を描き出します。また、制作にまつわるエピソードや作品の来歴などが語られる時、絵画は「物語」の主役でもあります。私たち鑑賞者は、これらの絵画から「物語」を読み解き、味わうことができます。時には、想像で補ったり、自身の体験と重ね合わせたりしながら、絵画から自分だけの新しい「物語」を紡ぎだすこともできるのです。
本展では、北方ルネサンスの画家デューラーによる聖書主題の版画や、明治から昭和にかけて活躍した鏑木清方による歌舞伎を題材にした日本画、山口晃、鴻池朋子ら現代作家による物語性あふれる作品まで、約180点を展示します。「物語」を通じて絵画と深く関わり、対話する喜びを感じていただきたいと思います。
一部展示替えあり
前期 10/9~31
後期 11/2~28