ロックウェルとリヴォーリ、二人の「アメリカ」
ノーマン・ロックウェル(1894-1978)は、20世紀のアメリカを代表する画家・イラストレーターです。若い頃から雑誌「サタデー・イブニング・ポスト」の表紙絵を長年担当し、人気を博しました。彼が描いたのは、アメリカの人々のごく普通の生活の一場面でしたが、画家の卓越した描写力によって生み出された世界は、時に大変ドラマチックでもあり、私たちに「古き良きアメリカ」のイメージを感じさせます。
そんなロックウェルに触発されて写真を撮り続ける写真家、ケヴィン・リヴォーリの作品の中にも、ロックウェルに共通する世界が見られます。それは、人と人とのつながりです。幸せな時も、少し辛い時も前向きに生きていく人々の姿は、私たちに確かな感動を伝えてくれることでしょう。
今回の展覧会は、ロックウェルの油彩・版画等35点、リヴォーリの写真35点を、共通するテーマごとに対比させて展示するという試みです。二人の作家にとっての「アメリカ」をご覧いただきたいと思います。