街頭紙芝居は、昭和初期に登場し、テレビが普及する昭和30年代まで、街の空き地やひろばなどで演じられた紙芝居です。
街頭紙芝居には、ほのぼのとした笑いを誘うマンガもの、悲しい事件に何度も遭いながらけなげに生きる子どもを主人公にした新派もの、正義を愛し悪を憎むヒーローが登場する冒険活劇や時代劇など、さまざまな物語がありました。1枚1枚が手描きで、同じものは一つもありません。波瀾万丈、荒唐無稽な街頭紙芝居は、テレビが無かった当時の子どもたちをとりこにしたのです。
今回の展示では、この街頭紙芝居を中心とした、紙芝居の歴史や文化の一端を紹介します。あわせて、日本で唯一口上師による実演が可能な「のぞきからくり」など、街頭紙芝居を取り巻く歴史や文化を体験できる、さまざまな催し物を会期中に行います。
昭和の子どもたちが熱中した街頭紙芝居の世界を、ぜひご覧ください。