資生堂アートハウスでは、収蔵品の中から資生堂ギャラリーで発表された作品を中心に、第2次大戦後に描かれた油彩による展覧会を開催いたします。
資生堂は初代社長・福原信三(1883-1948)の時代から芸術文化支援に力を入れ、1919年にはわが国における画廊の先駆けである資生堂ギャラリーを開設、国内外の優れた芸術を紹介すると共に若い作家たちに発表の場を提供し、日本近代美術史上に足跡を残すことになった多くの芸術家がこのギャラリーからデビューしていきました。
今回の展覧会では、資生堂が1947年より同ギャラリーを会場に断続的に開催 している「椿会美術展」や、中堅洋画家による資生堂主催のグループ展「檀 会」(まゆみかい・1950-1968)への出品作を中心に、資生堂がその精神に共感し、支援を続けてきた16名の作家による40余点を展覧いたします。
第一会場は、牛島憲之、梅原龍三郎、岡鹿之助ら文化勲章受章者をはじめ、戦後の具象洋画壇を牽引してきた15名による28点を展覧。また、第二会場は第5次椿会(2001-2005)メンバー児玉靖枝による作品10余点を展覧いたします。児玉は日常の中でふと出会う光景をモチーフに、背景と図柄が幻想的に溶け合う油彩画を描く作家です。現代美術家のまなざしが捉えた光景は日常の中にある美を私たちに気づかせてくれるでしょう。
今回の展覧会は戦後における油彩表現の発展を垣間見られるものであると同時に、資生堂が長年にわたり継続してきた芸術支援活動の一端をご覧いただける内容となっています。