初代静岡県知事関口隆吉(1836年~1889年)は幕府御家人関口隆船の子として江戸に生まれ、幕府崩壊後、明治3年金谷開墾方頭取並となり、城東郡月岡村に移住しました。隆吉はその後明治政府に登用され、山口県令、元老院議官などを経て、明治17年静岡県令に任ぜられ、明治19年には府県制の改正により初代静岡県知事となりました。
隆吉は公開図書館を久能山上に開設する目的で書籍を収集しましたが、志半ばで事故に遭い、その蔵書は現在県立中央図書館に「久能文庫」として納まっています。
また静岡県は現在、日本一の茶生産地であり、隆吉が発案したと言われる牧之原開墾は茶園の拡大の基盤の一つとなりました。
今回の展覧会は幕末から明治維新の激動期に幕府のため、新政府のために働き、静岡県政に全力を注いだ隆吉の業績を振り返り、周辺の政治家・思想家を取り上げ、「久能文庫」を中心に菊川市立図書館菊川文庫資料などによって展示します。