「万物に神が宿る」と、あらゆる自然に神を見出し、恩恵を受けてきた日本人。古来より人々は生活の多くを、再生可能な自然界の産物に依存してきました。その代表格は、建築資材や薪・木炭の燃料にもなる木材です。木曽山を藩領にもつ尾張藩にとって、山林の保護・経営は重要な事業でした。
折しも江戸時代は、自然を研究対象とする本草学・博物学が盛んとなり、園芸ブームが興った時代で、自然への関心やその利用でも大名や武士階級が積極的に関わりました。江戸時代における自然との共存への取り組みを、さまざまな視点から取り上げます。