古代から人間の生活に最も身近であり続けた布は、身体や物を包み、 また祈りや祝祭の旗となって空に翻り、そして民衆の儀式や生活空間を彩ってきました。
本展はこの布をテーマとして、祝祭性豊かな江戸の幟旗(のぼりばた)を初め、熊本ゆかりの大漁旗、平油単(ひらいたん)、ドンザ、定式幕、 熊本城築城400年祭を記念して市民から寄付された端午の節句の幟、そして現代日本で布を素材として最も先鋭でダイナミックな表現をするひびのこづえ、 齋藤芽生(さいとう・めお)、手塚愛子らのアーティストの作品により構成される展覧会です。
自然に深く根差し、人間の根源的な思いを布に託した多様な表現の歴史的流れをたどり、 その繋がりの中で現代に息づく先鋭なアートに焦点を当てていくものです。