中国の凧は、遡ること2000年以上前、春秋戦国時代に軍事用として作られ、唐~宋代には貴族の娯楽、そして民間娯楽として広まったと言われています。
山東省?坊(いぼう)でも、宋代の頃より民間に広まり、中国四大凧産地のひとつになるまでに発展しました。これは北に渤海湾、南に黄海があり、雨が少なく風向きが一定である地理的特徴と、この地域で盛んな木版年画の技術や材料が存分に生かされたことが大きな要因といえるでしょう。
?坊凧の種類は300種類以上、その構造も多種ありますが、特に動物、鳥、植物、物語などの生活や民俗を反映した形が多く、凧は安定し、非常に高く揚がるのが特徴です。現在、山東省?坊凧は中国無形文化遺産に指定され、また?坊市は「世界凧の都」とされ毎年国際凧フェスティバルが開催されています。
今回は山東省(主に)?坊にてこの展覧会のために制作された新作約80点を展示します。