富山市の中心商店街は、近世城下町としての整備が進められて以降、人々が賑わい集う繁華街でした。明治時代以降は、近代的都市整備が進むのに相俟って、近代的商店街へと発展していったのです。しかし、戦後における社会情勢の変化、特に郊外型大型小売店の進出は、商店街の在り方に大きな影響を与えました。そして現在、中心商店街では活性化を進めるため、様々な方策が試みられています。富山市においても中心市街地活性化推進室を設けたほか、平成十二年には富山市、富山商工会議所、各商店街が出資し、「(株)まちづくりとやま」も設立され、中心商店街の活性化を目指しています。今回は、この中心商店街に焦点を当て、人や物との出会いの場となってきたその歴史を、近世から現代に至るまでご紹介します。