埴輪は当時の風俗や社会制度などを知るための重要な資料であり、古墳時代を理解する上で欠かせない存在です。しかし、埴輪は語ってはくれません。彼らはどこにいて、どのような役割を担っていたのでしょうか。
この素朴な問いかけに少しでもこたえるために、『きゅーはくの絵本(9)月夜のおおさわぎ』が生まれました。そこでは、埴輪に表された古代人の豊かな心、埴輪と古墳時代の王様との緊密な関係などが、全編クレイモデル(粘土人形)によって再現されています。
絵本の出版を記念して開催する本展では、古墳時代の実物資料と共に、絵本制作に使用したセットやクレイモデルを紹介します。実物資料と絵本を通して、私たちの遠い遠いご先祖さまが作りだした埴輪世界にひたりながら、その魅力を再確認する機会となれば幸いです。