昭和23年、佐野市に生まれた島田文雄は、東京藝術大学で田村耕一(佐野市出身)、藤本能道、浅野陽らの指導のもと、陶芸を志します。同大大学院在学中に伝統工芸展入選を果たし、早くから期待をあつめました。植物の自然な生命観を感じさせる彫りが美しい青白磁を出発点に、釉下彩技法「彩磁」に取り組み、さわやかな潤いに満ちた独自の作品世界を確立しています。さらに近年は、彩磁と吹墨やチャイナペインティング(洋絵具による上絵付)の併用など、新たな技法による表現の広がり・深化への意欲を見せており、今後の展開が期待されるところです。現在、東京藝術大学教授、清華大学美術学院(北京)客員教授、IAC国際陶芸アカデミー会員、日本工芸会正会員などをつとめ、外国での講演や陶芸教育、交流にも取り組んでいます。
この展覧会では、学生時代から最近作に至るまでの約60点を展示し、その軌跡をたどるとともに今後を展望します。