永青文庫は旧熊本藩主・細川家に伝来した文化財を後世に伝えるために、16代細川護立(もりたつ)によって昭和25年(1950)に設立されました。その名は中世の和泉上守護家の祖・細川頼有(よりあり)以後、8代にわたっての菩提寺であった京都建仁寺塔頭永源庵の「永」と、近世細川家の祖・細川藤孝(幽斎)(ふじたか(ゆうさい))の居城青龍寺城の「青」の二字をとったものです。幽斎の和歌資料や2代忠興(三斎)(ただおき(さんさい))所有の利休ゆかりの茶道具、細川ガラシャ遺愛の品々や宮本武蔵の絵画など、その所蔵品は古文書類も含めると8万点を超える日本有数の文化財コレクションです。
本展では、激動の歴史を生き抜き、古今伝授、能、茶の湯などの文化を守り伝えた細川家に伝来する貴重な美術品や歴史資料を展示し、細川家の歴史と日本の伝統文化を紹介いたします。また、細川護立が収集した美術品の中から選りすぐりの名品を出品し、近代日本を代表する美術コレクターである細川護立の眼と人物像に迫ります。