この夏、工芸館がとりどりの色で染まります。会場はまさに、みて歩く色図鑑。赤一色とりあげても、バリエーションは豊富です。黄味がかった赤、紫に近い赤、燃えるような赤、穏やかな赤…。また、トーンが似ていたとしても、その色をつくり出した素材や技法が変われば、印象はまったく異なります。あらためて工芸作品の色彩をみると、そこには、物質の特性が築いた奥行があることに気づきます。視覚だけでなく、あらゆる感覚に刺激をもたらすような、魅力あふれる色ばかりです。
まずは向かい合った瞬間の美しさを楽しみ、それから目を凝らして、その秘密にじっくりと迫りましょう。なかにはあなたの心をワクワクさせる色が、きっとあるはず。より深く味わっていただくために、セルフガイドや各種イベントをご用意しました。工芸特有の豊かな質感に満ちた色のイロイロを、どうぞご堪能ください。