空調機や扇風機の普及した今日でも、暑い時に涼しさをもたらしてくれる「扇」、その「扇」には大きく分けて「うちわ」と「おうぎ」の二つがあります。中国では、前者を「団扇」といい、後者は「折扇」「摺扇」「撒扇」などとよばれます。特に、「折扇」は宋代に日本から中国へもたらされ、次第に中国社会に普及していったもので、日中の文化交流を象徴するものであります。
本展は、明末から現代までの作品約100点を北京・中國美術館の所蔵品の中から紹介し、日中文化交流に思いをはせつつ、現代にいたる水墨画の流れも振り返りたいと思います。