作家・開高健(かいこう・たけし 1930-1989)の没後10年にあたる1999年、故・牧羊子夫人の協力のもとに、初の本格的は「開高健展」を開催し好評を得ました。夫人没後の2003年には、茅ヶ崎市により、市内の旧宅に開高健記念館が開設され、御遺族からの寄贈資料を中心に多くの開高健関係資料を保存し、公開するセンターとして活動を続けています。
本展は、開港の生誕80年を記念し、記念館を運営する開高健記念会と県内ゆかりの文学者として開高健の資料の収集・保存を続けてきた神奈川近代文学館とが共催で行〈文学館交流展〉です。
2000年以降に発掘された多くの新資料を中心に、常に外へと向かう旺盛な活動の中で小説、エッセイ、ルポルタージュなど多彩な執筆を行いながら、世界の様々な事象の核心を捉えて作品に刻み込んだ開高健の軌跡を、編年体による展観であらためて見つめなおします。