菅久(大分市在住)は、1926年、中国の東北部、現丹東市で生まれました。中国山東省青島で青年期を過ごしますが、1945年、現地召集兵として徴兵され戦地に赴き、召集解除後、1946年、日出町に復員。1947年からは、中学校で美術を教える一方、本格的に油彩画の制作に取り組み、1950年、第4回二紀展に《No.5》を初出品して初入選。以後、同展を中心に中央での発表を続け、1956年、同会同人、1986年、同会会員、1993年、同会委員に推挙されました。
また、地元大分では、1950年、岩尾秀樹らの「ネギ」、廣瀬通秀らの「スバル会」など、若手前衛美術家グループに参加、1980年以降も「潮流展」に参加するとともに、1965年、大分県美術協会事務局次長(日洋彫工部事務局長)、1985年、大分県芸術文化振興会議常任理事、1995年、大分県美術協会名誉会員となり、大分県の美術振興に尽力しました。
本展では、初期の「抽象」シリーズ、中期の「美神」シリーズ、現在の心象的風景画「桜」シリーズなど代表作約60点、並びに関連資料を展示し、その全容を紹介します。