ヒトは、野生動物たちにみられるように自然生態系に適応してそのメンバーになったのではなく、自分に都合の良いように自然生態系を改造して入り込み、今日の繁栄をみました。それは、例えて言えば、入社試験に合格して社員になったのではなく、会社を自分に都合のよいように改造して入り込み、威張っているようなものです。そんな会社が果たして存続できるものでしょうか?重苦しい環境問題にその行き着く果てをみる思いがします。
いっぽう、40億年の発達史を持った自然生態系の合理性と永続性は疑う余地がありません。私たちには、自然生態系に則して改造した部分を補強修正していく責任があります。そのためには、私たち一人一人が自然に対する確かな識見を培うことがまず大切です。自然は、人々の傷ついた心を癒し、深く大きくしてくれます。自然に遊び、そして自然に学ぶ心を育てましょう。
この展示では、福島県の動植物や鉱物の研究団体が今までに集めた標本や知見を展示しています。これらの展示が、県民の皆さんが郷土の自然について改めて学び、考える契機になることを願っています。