1933年に設立されたシアトル美術館は、世界中の美術品を網羅するアメリカ屈指の美術館です。その中核は、西海岸で最大級を誇る東洋美術コレクションで、今回この中から精選された約100件が、シアトルの姉妹都市・神戸にやってきます。同館のコレクションがまとまったかたちでアメリカ国外で公開されるのは世界で初めてのことです。
日本美術では、鎌倉時代の仏教絵画「地獄草紙断簡」や、<浦島の手箱>の名で知られる「浦島蒔絵手箱」、<琳派>の巨匠・本阿弥光悦と俵屋宗達の合作「鹿下絵和歌巻」※、圧倒的な存在感を放つ屏風絵「烏図」などの名品が里帰りします。中国美術では、全米屈指のコレクションとして知られる陶磁器をはじめ、青銅器、玉器、銀器、漆器など、工芸の優品が勢ぞろいするほか、韓国、東南アジア、インドの逸品の数々も紹介します。
多彩な国や時代の名品がぎっしりとつまった、<美しきアジアの玉手箱>と呼ぶにふさわしい珠玉のコレクションを存分にお楽しみください。
※10月18日まで国内所蔵分の断簡も併せて展示します。