地中海に浮かぶフランス領コルシカ島は、ナポレオン 1 世の生誕地として知られています。ここにあるフェッシュ美術館は、ナポレオンの叔父にあたるフェッシュ枢機卿のコレクションをもとに造られました。フェッシュ卿のコレクションは質・量とも膨大なものでしたが、その一部が寄贈されてできたこの美術館のコレクションは、イタリア絵画だけでもフランスではルーブル美術館に次ぐ規模を誇ります。この展覧会は、フェッシュ美術館のコレクションの中からルネサンスに始まりバロック、ロココと続く西洋絵画の名品をご覧いただきます。
なかでも、この展覧会のために初めて日本への貸出を許可された《聖母子と天使》はボッティチェッリの初期の作品で、その透明感あふれるみずみずしい作品からは、後に《春》《ヴィーナスの誕生》などの美しい女性像を誕生させた才能を見い出すことができます。
また、ナポレオンと縁の深いこの美術館は、ナポレオンをはじめとするボナパルト一族の肖像画や関連資料も所蔵しています。これらのほか、フェッシュ美術館の中核をなす 17 ~ 18 世紀のイタリア絵画などを中心に展示し、そのほか大理石彫刻、そしてナポレオン関連資料など約 80 点を公開します。イタリア美術の精髄とナポレオンの魅力をどうぞご堪能ください。