木津文哉は1958年、静岡県浜松市に生まれ、東京芸術大学に学びました。独立美術協会会員として精力的な創作活動を展開し、安井賞展をはじめ昭和会展ほか、数々の賞を受賞しています。本年4月には東京芸術大学の教授に就任し、今後の活躍がますます注目される作家です。
木津は、古くなった道路標識や看板、駅や電車、植物などを題材に、独自の感覚で大胆かつ緻密な作品を制作しています。見る者はいつしか時をさかのぼり、木津の創造した不思議な時間にのみこまれていることに気づきます。
平野美術館、袋井市立図書館をはじめ、ご所蔵家のご協力を得て開催する本展では、子供たちが「見て遊ぶ」という美術鑑賞の面白さを体感し、さらに豊かな感性を身につける場を提供したいと考えています。また、子供のみならず大人まで、精緻な技術に裏づけされた木津のだまし絵的な作品に驚かれることでしょう。是非、ご家族で来館いただき、木津文哉の「ひみつ基地」探検をお楽しみください。