組子とは釘を使わずに、切り込みやほぞを施すことによって1本1本の木片を組み付けながら意匠を編み出していく技です。室町時代に書院造とともにその技術が著しく発展したとされています。また、編み出される意匠は「編物」「折物」「曲物」「亀甲物」など数百種類にもおよび、1万個以上の木片による意匠を組み付けることで、健具に精緻な絵柄や文様を浮き上がらせます。
三重県菰野町で組子健具を制作する〈指勘〉2代目黒田之男は「後光組」「六方転」など独自の意匠を考案し、伝統的な健具から現代感覚溢れる創作指物まで手掛け、平成17年には黄綬褒章を受章しています。そして、その技は3代目裕次へと受け継がれています。
卓越した技によって作り出される健具は室内装飾を越え、工芸美にあふれるものです。現代に息づく名工の技をご堪能ください。
*本展開催中、「萬古の名陶」はお休みさせていただきます。