ヒマラヤ山麓からインド・アッサム地方、東南アジア北部、雲南省、華南、江南を経て日本に至る、カシ・シイ・ツバキ等の照葉樹が自生する地域を「照葉樹林帯」といい、この地域に共通する民俗文化を「照葉樹林文化」といいます。
この文化のセンターといえる雲南省には、多くの山地少数民族が変化に富んだ自然環境に適応して、それぞれ異なる社会と共通する民俗文化を形成しています。
「照葉樹林文化」と日本の伝統文化のあいだには、多くの共通性と類似性が認められます。歌を唄って求婚する歌垣や、人間は死後山に戻るとする山上他界の観念、新年行事のコマ廻し、ハネツキ、綱引き、水掛けや若水汲み、鏡餅飾りなど。儀礼食としての餅食や赤米食、麹を用いた醸造酒、ナレズシ、納豆などの発酵食。ワラビやクズなどアク抜きの方法など日本の伝統文化の多くが「照葉樹林文化」に起源を持ち、現在まで山地 民俗に継承されています。
この度の特別展は、中国雲南省の山地で暮らす人々を中心に、雲南省26民族の暮らしと伝統文化を衣装や生活道具などを通じ、紹介するものです。
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