板橋区立美術館では1979年の開館以来、江戸の美術と戦前・戦後の前衛派を中心に作品収蔵を続けてまいりました。本年は開館30周年にあたり、コレクションの中から名品や当館ならではの作品を選りすぐってご紹介いたします。第1期は近世編、第2期が近現代編です。
近現代編の中心となるのは、戦前の1930年代から日本の画家たちが描き続けたシュルレアリスム(超現実主義)風の作品です。フランスを中心に1920年代から流行したこの様式は、眼に見える現実をそのまま描くのではなく、意識を超えたものを追求しました。日本の画家たちはこのような作品を雑誌で知り、独自の解釈を加えた作品を描き発表しました。本展では、戦前から戦後にかけての日本のシュルレアリスム絵画、約70点を紹介します。