この春、高梁市成羽美術館に、そのユニークな活動で話題を集めている「アトリエ インカーブ」の4作家による秀作群がやってきます。
自作を「鉄骨図面」と呼ぶ寺尾勝広の絵には、それぞれの部材から巨大な構造物が組み上げられる時間軸をも捉えようとする、飽くなき探求が映し出されているかのようです。また雑誌の広告ページなどから想を得る武田英治は、一つの完成されたデザインを辿りながら、独自の感性でモード画を思わせる新たな絵を描き出します。現実と空想の狭間を行き交うような幻想的な情景を描く湯元光男と格闘技をこよなく愛する新木友行は、共にきわめて鮮烈な色彩世界を持つ画家です。会場には、今展のための新作を含む絵画や彫刻作品約45点を展観しますが、当館特有の建築空間との共鳴も見所の一つと言えるでしょう。
これまでニューヨーク、東京、大阪と多くの人を魅了し続けてきた作家達の、岡山初となる展覧会をどうぞお見逃しなく。