「遠くとも一度は参れ善光寺 救いたもうは弥陀の誓願」と御詠歌にうたわれ、阿弥陀霊場として宗派を問わず多くの参詣者を受け入れてきた善光寺。本年は七年に一度の御開帳にあたります。
善光寺の本尊である阿弥陀如来が、女性を救うという利益は、「善光寺縁起」に取り入れられ、唱導や絵解きなどを通して多くの女性に受け入れられ、広まっていきました。
当時の仏教界では、戒律の建前から表向きは「女人禁制」を唱え、女性たちの境内立ち入りを拒む寺が多かったなか、善光寺はむしろ女性たちを積極的に受け入れていきました。
また、現世でのさまざまな苦しみを抱えた女性たちも、魂の救済を求めて善光寺を目指しました。今回の特別展は、中世から近代にかけて、女性たちが善光寺に何を求め、善光寺ではどのように女性を受け入れたのかを切り口に、善光寺信仰に迫ってみたいと思います。