「クラシック」は古典、第一級品などと訳される言葉です。国宝2点、重要文化財28点を含む第一次久保惣コレクションは、まさに東洋古美術のクラシックとも言える内容を有しています。本展覧会ではその中から日本、中国の書画、陶磁器など約30点を前、後期にわけて展示いたします。
なかでも国宝「歌仙歌合」は雅な歌合の儀式が思い起こされる作品であり、もう1点の国宝「青磁鳳凰耳花生(せいじほうおうみみはないけ) 銘万声(ばんせい)」は、徳川将軍家から天皇家へ伝来したという来歴を有し、美術品愛玩の歴史を感じさせます。
また「クラシック」という言葉で音楽を思い起こすことも容易です。第一次久保惣コレクションには、名称や内容に音とかかわりのある作品もあります。たとえば重文「黄瀬戸 立鼓(りゅうご)花入銘旅枕」は鼓を模した器形が名称の由来と考えられます。各作品から湧き出、響きあう音を想像しながら、鑑賞していただければと思います。
なお、本年度は美術館本館の展示室一室を使って、テーマごとに当館所蔵品を紹介していきます。今回は、平成19年度以降であらたに収蔵した作品を展示いたします。久保惣コレクションの核となるすぐれた作品に出会えるこの時期ならではの企画です。新収蔵品とともにお楽しみ下さい。