明治9年にお雇い外国人として来日したドイツ人医師エルヴィン・フォン・ベルツ博士(1849-1913)は、現在の東京大学医学部で教鞭をとるとともに皇室の侍医を務めるなど、日本の医学界の振興に多大な功績を残しました。
その一方で、日本美術をこよなく愛し、30年近い滞在期間中に膨大な数の美術品を蒐集し、故国ドイツにもたらしました。それが、ヨーロッパ有数の日本美術コレクションとして知られるリンデン民族学博物館所蔵の約6000点にのぼる「ベルツ・コレクション」です。
本展覧会では、このコレクションを中心に、リンデン民族学博物館の日本美術、ベルツの故郷に残る遺愛の品を加えた175点を精選し紹介します。特にリンデン民族学博物館が誇る日本美術コレクションをまとめて館外で展観するのは世界初となります。ドイツ人を魅了した江戸から明治時代の華やかな日本美術の優品をご堪能ください。