平成18年度から「年鑑 日本の広告写真」と「APA公募展」を発展的に統合し、広告作品の部と写真作品の部をあわせて、「APAアワード」と名称も新たに出発して3年目を迎えています。
この展覧会は、第一線で活躍されている写真家のみならず、広告制作者のほか、多くの皆様方から高い評価を受け、広告写真文化発展の使命を果たしております。
広告写真部門は、世の中に発表された広告写真を広く募集し、その時代時代の消費ニーズの動向やトレンド、広告写真表現を社会文化として提供してきました。
今回は、2007年1月1日から2008年8月31日までの期間に制作発表された印刷物を対象にしました。
日本国民はもとより、世界の多くの人々にとって、偽りのない本物への回帰、安定した生活を求める機運が高まってきました。
そのような世相を反映して、ダークトーン傾向の作品が多く見受けられましたが、その中でより本物、より確かなものを伝えようとする広告制作者の努力がうかがわれるものでした。
写真作品部門は、1961年より広告写真の向上と有望な人材の発掘を目的に開設されたもので、現役として活躍されている写真家のエントリーも多く、同賞の価値もさらに高まっております。
今年は、テーマ「活(かつ)」を自分の身近な現象の中に掘り下げ、表現しようとする作品が多くありました。
写真本来の醍醐味、斬新な切り口・視点によるフレッシュな写真表現は、イメージにとどまらず、その写真技術においても優れたものであり、次世代の写真文化の発展を感じさせてくれました。
「APAアワード2009」は海外においても展覧会を開催する予定です。
ご鑑賞の皆様には、広告写真部門からエネルギッシュに活動する広告写真家の「今」を、また、写真作品部門からは写真と撮影者の羽ばたく「明日」を感じ取っていただければ幸いです。