住友コレクションの美術館として知られる泉屋博古館の所蔵品から、これまで公開の機会が少なかった近代洋画の名品約55点をご紹介いたします。
近代―明治政府による積極的な欧米文化の受容により、美術界にも急激な洋風化の波が押し寄せます。住友家は「西洋画」という新しい作品群を早い時期から収集し、鹿子木孟郎の留学のパトロンとなるなど、文化後援者としての先駆的な役割も果たしました。
本展には、西洋に倣い、洋画界の萌芽を支えた浅井忠や藤島武二ら明治の作家から、日本人としての洋画を確立した岸田劉生、梅原龍三郎ら大正・昭和の作家の名品に加え、住友家がいち早くヨーロッパから輸入し、当時の日本人画家たちの憧憬であったであろう、クロード・モネ、ジャン=ポール・ローランスの作品も出品いたします。近代洋画が誕生、発展し成熟していった明治から戦後までの、32名の作家の響宴をどうぞお楽しみください。