10世紀から12世紀は古代から中世への転換点であり、さまざまな変化が起きた激動の時代でした。公地公民制の律令体制が崩れ、「扶桑略記(ふそうりゃくき)」の昌泰(しょうたい)3年(900)の「武藏国強盗蜂起」という言葉に象徴されるように、治安も悪化していきました。
そのような状況の中、自立した小武士団(党)がいくつも生まれ、保元・平治(ほうげん・へいじ)の乱、治承・寿永(じしょう・じゅえい)の乱を経て、最終的に彼らは鎌倉幕府を開く原動力として重要な役割を果たしました。
この特別展では、この時代の武藏国内の特徴ある遺跡の出土遺物を中心に、多方面の資料から中世成立期の武藏を探ります。