本展は虚子記念文学館(兵庫県芦屋市)と、同じく俳句資料を多数所蔵する神奈川
近代文学館との共催による文学館交流展です。
2009 年(平成21)4 月8 日の高浜虚子没後50 年を機に、近代俳句黎明期から大正
初期の虚子俳壇復帰までにスポットを当て、正岡子規はいかに俳句革新を成し遂げ、
子規に学んだ虚子は子規没後の俳壇をどう継承し、どう独自に発展させたのかについ
て問い直します。
生涯俳句一筋であったと思われがちな虚子ですが、俳句をやめ、小説に没頭した時
期もありました。40 歳で俳壇復帰に至るまでの道のりは、むしろ紆余曲折の連続だ
ったと言えるでしょう。今回は特に虚子の前半生に多大な影響を与えた正岡子規・夏
目漱石・河東碧梧桐との交流をまじえつつ、新派の台頭により刻々と変貌を遂げた明
治俳壇における虚子奮闘の軌跡を、虚子記念文学館所蔵資料を中心に展観します。