2007年1月59歳で死去した鎌倉市在住の美術家でヴィデオ・アート、ヴィデオ・インスタレーションの開拓者でもあった和田守弘の回顧展を開催します。1947年香川県高松市に生まれた和田は多摩美術大学絵画科を卒業、在学中から東京での個展や各種グループ展でヴィデオや写真、インスタレーションのほか、絵画やドローイングなどさまざまな表現手段で発表活動を続けてきました。70年代、80年代は個展のほかジャパン・アート・フェスティバルや横浜市民ギャラリーでの今日の作家展、神奈川県民ホールギャラリーでのEXHIBISM展、海外ではニューヨーク近代美術館でのTHE NEW VIDEO:JAPANなど、国の内外で活躍してきました。1984年には第2期ビクター・ヴィデオ制作奨励制度により奨学金を受けております。映像作品が大勢を占める今日の美術状況を見渡したとき、和田が追求した仕事はきっと若い人にも大きな影響を与えるでしょう。 〈出品作品〉 初期のころの先駆的なヴィデオ・アートやインスタレーション作品、銅板を使った半立体の作品や油彩による絵画、膨大な量のドローイングや大作のためのデッサンなどのほか70年代、80年代の現代美術の状況がうかがえる当時の写真や資料で構成し、再評価を図るものです。