岡山が誇る備前焼は、12世紀に伊部の地で誕生しました。生活の道具から茶陶まで様々な用途で使われ、毎年伊部周辺で備前焼まつりが開催されています。土と炎を自在に操る陶芸家の手によって、大胆かつ繊細に形作られた備前焼はまさに土と炎の芸術といえるでしょう。備前市出身で備前焼人間国宝の藤原啓・藤原雄は備前焼の近代化、国際化に大きな役割を果たしました。共に文学を志した経緯がある二人は、教養の幅広さなど、詩人画家の夢二にも通じるところがあります。
夢二郷土美術館を創設した松田基初代館長は、竹久夢二をはじめとする岡山ゆかりの芸術家に深い理解を寄せ、岡山の文化発展に貢献しました。多彩なコレクションの中にはもちろん、藤原家の備前焼が多数遺されています。このたび夢二郷土美術館では、藤原啓記念館のご協力のもと、書画と共に藤原家の作品を展示します。松田基コレクション~藤原備前豪放の世界~をどうぞご高覧ください。