「羅馬開催日本美術展(通称ローマ展)」は、1930年(昭和5年)、イタリア政府主催によりローマ市中心部の展覧会場Palazzo nazionala della Esposizioneにおいて開催されました。大倉財閥を先代・喜八郎より引き継いだばかりの男爵・大倉喜七郎はこの展覧会を全面的に支援し、作品の画科をはじめとする膨大な経費をすべて負担しました。この展覧会には、横山大観が中心となり、当時の日本画壇を代表する日本画家たち総勢80名の手による大正末期から昭和初期の日本が168点が出品されました。また、会場の内装には日本から同行した宮大工らにより大小さまざまな床の間を備えた日本的建築空間が再現されました。
本展では、横山大観が日本を代表する作品として取り組んだ名作「夜桜」をはじめ、当館が所蔵するローマ展出陳作品27件を中心とした近代日本画のコレクションを展観します。また、大観の手による展覧会ポスターや大倉家に残された関連資料などもあわせて展示します。