正倉院展は、戦後まもない昭和21年(1946)に始まり、今年60回の節目を迎えます。今回は、約1250年間にわたり正倉院で守られてきた約9000件の宝物のうち、東大寺の大仏を造立した聖武天皇遺愛の品々をはじめ、楽器や遊戯具、装飾品、仏具、文書・経典など69件が公開されます。
正倉院宝物中、屈指の名品とされるペルシャ伝来のカットグラス「白瑠璃碗」をはじめ、花や鳥などの装飾が美しい双六盤「紫檀木画双六局」、アジア各地の宝石や貝をちりばめた「平螺鈿背八角鏡」など唐で作られた品々や、南方原産の「椰子実」など、シルクロードの盛んな交流を物語る宝物が多く、当時、日本人が外国の文化を取り入れた暮らしを楽しんでいたことを伝えています。国際色豊かな天平文化の粋をお楽しみください。