2008年は、新潟の港が開かれて140年目にあたります。この記念すべき年にふさわしい展覧会として、新潟市美術館は「浦潮とよばれた街」展を開催します。ウラジオストク市は、新潟と同じ日本海沿岸の港湾都市であり、また1991年に新潟と姉妹都市になりました。本展覧会は、ウラジオストクと日本との歴史的な関係を、写真、絵画、ポスターなどの視覚的な資料で浮かび上がらせようというものです。日本は鎖国時代の18世紀末にロシアという国を知りました。そして1860年にウラジオストク市が生まれたあと、多くの日本人がこの街に渡って生活し、また、この街から西ヨーロッパへ旅立ちました。日本人にとってウラジオストクは、ヨーロッパの玄関口だったのです。冷戦時代は軍港として閉ざされましたが、ソ連が崩壊した後、ウラジオストクはふたたび国際都市として注目を集めています。人や物が、激動する時代の中で混交し、街の表情が形成されていく。そうしたひとつの都市形成の過程を、人びとの手によって作り、残されてきた物で回顧します。