今から3000年以上前の中国で焼かれはじめた青磁は、水色から緑色まで「青」という一文字にはおさまりきらない様々な色彩を生みだしました。一方、中国・元時代の14世紀にあらわれた白地に青の文様を描く青花(せいか=染付)は急速に台頭して、その後の陶磁器の主流を占めていきます。長い歳月をかけて完成した穏やかで深みのある青磁と、陶磁器の歴史からみればわずかな期間に大発展を遂げた鮮やかな染付。いずれも、発祥の地である中国のみならず、西はヨーロッパから東は日本まで、広く深く文化に影響したやきものです。今展示では、青磁と染付それぞれの誕生と展開・色の違いなどを、当館の所蔵品の中から展観いたします。