金山平三(1883-1964)は、優れた色彩表現と安定した画面構成によって、日本の風景を卓越した技法で描いた画家です。また、画材を厳選するなど、生涯を通じて油彩画のマティエールを探究しました。とりわけ、山形県大石田を描いた「雪景色」は、「日本人が見た日本の風景」として、高く評価されています。
大石田の旧家に生まれた金子昭雄氏は、孤高の人と知られる金山平三の人間性に感銘を受け、長年にわたりその作品を収集してこられました。また、昭雄氏の父君は、歌人斉藤茂吉(1885-1953)を介して金山平三と親交し、大石田での制作を支えた人物です。
金子氏の全面的な協力により開催される今展では、金山が心から愛した大石田をはじめとする風景画を中心に展示します。清澄な金山作品をお楽しみいただくと同時に、作家とコレクターの崇高なる関わりまでを、ご覧いただこうとしするものです。