平川紀道は、主にコンピュータを媒体として、普遍的でありながら、日常生活では気づかない事柄について、観る者に直感的に気づかせる作品を制作しています。今回の石見美術館の展示では新作3点が紹介されます。コンピュータの有用性をあえて無視したこれらの作品は、それぞれが対になるような構成となっています。展示室では、コンピュータなどの機器だけでなく、作品を観る人の脳、眼球、鼓膜を含む様々な観測装置が、「現時間」における「現象」を観測し続ける、といった状況が作り出されます。それは、作品を体験する私達が、「世界」を再認識するひとつのきっかけとなるかも知れません。