平安時代、街を歩いて念仏を弘めた空也上人(903~972)が天暦5年(951)に開いた西光寺は、貞元2年(977)天台別院となり六波羅蜜寺と改称しました。周囲は鳥辺野という葬送の地でしたが、平安時代後期には平清盛(1118~81)が付近に邸宅を構えました。今回の特集陳列では創建期に空也が造像した四天王像のうちの持国天立像、天台別院となった頃の薬師如来坐像、11世紀前半に仏師定朝が造ったと伝える優美な地蔵菩薩立像、鎌倉時代の仏師として名高い運慶の肖像、快慶の弟子長快作弘法大師坐像、そして平家の全盛期を支えた平清盛の肖像とされる僧形坐像などを展示します。六波羅蜜寺の仏像がまとまって東京に出品されるまたとない機会です。ぜひご覧ください。
重文 僧形坐像(伝平清盛像) 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵
重文 地蔵菩薩立像 平安時代・11世紀 京都・六波羅蜜寺蔵
重文 伝運慶坐像 鎌倉時代・13~14世紀 京都・六波羅蜜寺蔵