現代の観光旅行のルーツは近世に求めることができます。近世の旅は伊勢参宮に代表されますが、各地の都市を中心に多様な旅行地が成立しました。旅は寺社参詣が目的でしたが、街道も楽しみの場であり、旅の行程すべてが壮大なアミューズメントパークでした。
鉄道旅行により、そのアミューズメントパークは崩壊しますが、都市周辺には多くの旅行地が成立し、短時日のうちに、より遠くへの旅行も可能になりました。一方、鉄道の発展は汽車に乗ることも楽しみとなり、鉄道趣味へと発展していきます。鉄道旅行が当然のことになると、旧道回顧も盛んになり、画家を中心に旧道旅行も行われ、現在の旧道歩きに引き継がれています。
今回は旅行案内書などを中心に展示しますが、本展示により、新しい旅行の在り方を模索していただきたいと思います。