明治時代、日本の工芸品は欧米で人気を博し、陶磁器は重要な輸出品目でした。東京や横浜には陶工が各地から集まり、国際港である横浜には外国向けの陶器商が軒を連ね、たくさんの陶磁器が海を渡っていきました。
近年欧米から里帰りした当時のやきものは、奇抜なデザインと繊細を極める絵付や細工が施され、そこ高度な技は私達の想像の範疇を優に超えています。
この展覧会では、明治美術に対するイメージを覆すに足る作品群を150点ほど展示します。世界的な真葛焼収集家・研究者としてしられる田邊哲人氏のコレクションから展示品の大部分をご出品いただき、これまで未公開だった魅力的な作品を100点近く一挙に公開します。
折しも2009年、横浜開港150周年をひかえたこの時期に、いままでほとんど知られることのなかった、この地で作られた焼き物を展示することは、極めて意義深いものとなるでしょう。