第13回目となる2007年度ヤング・ポートフォリオには、35カ国から411名、5931枚の応募があり、07年度選考委員・森永 純氏、坂田栄一郎氏、細江英公(館長)により、59名(国内31名・海外28名)による284枚が、当館のパーマネント・コレクションとして購入する作品に選ばれました。
ヤング・ポートフォリオは、コンテストではありません。参加資格35歳までという限定した時間の中においては、高い完成度より、実験的であっても将来の力強い展開を予感させる創造性豊かな作品や、社会問題に取り組んだものなど、さまざまなポテンシャルを持った作品であることが重視されます。ぞれぞれの中の「痛み」に向けられた視線、あるいは、絶え間ない紛争、性差別、格差社会、温暖化など、時代の不穏な流れに抗うかのようなドキュメンタリー作品が多く寄せられたのは、今年度の大きな特徴と言えるでしょう。技術面においては、アナログとデジタルの融合が多く見られます。
作品の購入・展示を通して若い作家たちをサポートし、育む場としてのヤング・ポートフォリオ。
展示室には、国籍・ジャンルの異なる作品が隣合わせになり、剥き出しのエネルギーが満ちています。新しい時代を切り拓いていくのだという決意とエネルギーを体感していただきたい、そして若いクリエーターにとっては、「自分の写真(オリジナリティ)」をイノベーションする働きかけの場でありたいと願っています。
【会期中のイベント】
●K・MoPAで星をみる会 ★Starry Night at K・MoPA
●自然写真家・西村豊氏と「新緑の森を散歩」
※詳しくはホームページをご覧ください