国民的画家とも評され、日本人に最も好まれている日本画家東山魁夷の版画による展覧会を開催します。東山魁夷は、1908年(明治41)年に横浜市に生まれ、1999(平成11)年に90歳で逝去し本年、生誕100年を迎えます。東京美術学校日本画科に在学中の1929(昭和4)年に帝展初入選。1933(昭和8)年ドイツに留学し、2年後帰国。終戦近く1945年(昭和20)年に召集を受け熊本に配属、死を覚悟の訓練のなかで見た阿蘇山の美しさに感動、風景を描くようになります。1947(昭和22)年の日展で《残照》が特選を受賞。1956(昭和31)年には日本芸術院会員となり、1969(昭和44)年に61歳の若さで文化勲章を受章します。その間、東宮御所、皇居新宮殿壁画を制作、1975(昭和50)年からは奈良・唐招提寺障壁画の制作など、風景画家として独自の日本絵画を確立し、数々の名作を残しました。本展では、東山すみ夫人の監修により、リトグラフ、木版画など81点の作品をご紹介します。